群馬県立土屋文明記念文学館


連続講座「美術と文学:イメージとテキスト―イタリア美術と日本美術の泰斗が語る!―」2017.11.19小佐野重利先生、12.24河野元昭先生

① 2017年11月19日(日)14:00~15:30 
「絵画は無声の詩、詩は有声の絵画」、西洋の芸術ジャンル間の諸問題―姉妹芸術から優劣比較(レオナルド)・競合(エクフラシス)まで―
講師:小佐野重利氏(おさの しげとし、東京大学名誉教授、同大大学院教育学研究科特任教授)

② 2017年12月24日(日)14:00~15:30
江戸時代の美術と文学―光悦、光琳、蕪村、大雅、北斎などを中心に―漢詩の戯訳紹介もあわせて
講師:河野元昭氏(こうの もとあき、静嘉堂文庫美術館館長、東京大学名誉教授) 

 文学の歴史は、同じ「ことば」である哲学や思想、さらに同じく「芸術」である演劇、美術、音楽、映画などと、多種多様な関係を持ちながら展開してきました。文学を多角的に理解するためには、隣接するジャンルや歴史学に学ぶことも大変重要ですし、さまざまな「芸術論」は、それ自体が文学だといえる場合も少なくありません。江戸時代の儒学、国学、漢詩、和歌の関係を探った昨年度の連続講座「江戸の思想と文学」に続き、今年度は美術と文学の関係に着目し、日本を代表する美術史学研究者お二人をお招きします。
 小佐野先生は、イタリア語で比較を意味する「パラゴーネParagone」、すなわち絵画と彫刻の優劣に関するレオナルド・ダ・ヴィンチ(1452-1519)などの議論、さらに古代ローマの詩人・ホラティウス(65 BC-8 BC)の言葉「詩は絵のごとく」に端を発する詩と絵画の関係について、「エクフラシスekphrasis」という概念などに触れながら語ってくださいます。あわせて、ダンテ(1265-1321)『神曲』の地獄と源信(942-1017)『往生要集』厭離穢土の比較を、ボッティチェリ(1444/45-1510)の素描や六道絵と関係づけるお話も展開されます。
 河野先生は、物語文学などの造形化・視覚化に関して本阿弥光悦(1558-1637)、尾形光琳(1658-1716)を、絵画の中に漢詩の画賛などのテキストが書き込まれることが多い文人画(南画)について与謝蕪村(1716-1784)、池大雅(1723-1776)を、中国文学の影響を受けた伝奇小説「読本(よみほん)」などの文学出版に不可欠な挿絵について葛飾北斎(1760-1849)を主な例としながら、江戸時代の美術と文学の関係について、縦横にお話しくださいます。先生のブログでも人気の漢詩翻訳も必聴です!

電話、当館受付カウンターで申し込みを受け付けます。参加無料。 各回定員100名(申込順)。
※事前の申し込みが定員に達しない場合には、当日受付も行います。
会場:県立文学館 2階研修室 〒370-3533群馬県高崎市保渡田町2000 電話027-373-7721

小佐野先生略歴
 1951年山梨県生まれ。東京大学文学部卒業、東京大学大学院人文科学研究科博士課程中途退学。東京大学大学院人文社会系研究科教授、同研究科長・文学部長を経て退職。現在も同大大学院教育学研究科特任教授として学生相談ネットワーク本部長を兼務。 1995/96年度ポール・ゲッティ美術史人文学研究所招聘研究者。2003年イタリア政府よりイタリア連帯の星騎士・騎士勲位章、2009年同星騎士・コメンダトーレ勲位章を受章、2010年ミラノのアンブロジャーナ・アカデミー会員に選出。2011年より国際美術史学会(CIHA)副会長、2014年より日本学術会議会員、2017年より東京大学名誉教授。
 『記憶の中の古代―ルネサンス美術にみられる古代の受容―』(第16回マルコ・ポーロ賞受賞、中央公論美術出版、1992年)、『ラファエッロと古代ローマ建築』(編共著、中央公論美術出版、1993年)、Visioni dell’Aldilà in Oriente e Occidente: arte e pensiero (編共著、Università di Tokyo/Sangensha Publishing Inc.、2003年)、『旅を糧とする芸術家』(編著、三元社、2006年)、『知性の眼―イタリア美術史七講―』(中央公論美術出版、2007年)、『死生学』第4巻(共編、東京大学出版会、2008年)、Between East and West: Reproductions in Art. Proceedings of the CIHA Colloquium in Naruto, Japan, 15th -18th January 2013. Edited by S. Osano(編共著, IRSA: Cracow、2014年)、『西洋美術の歴史4および5:ルネサンスI、II』(共著、中央公論新社、2016年および17年)、『《伊東マンショの肖像》の謎に迫る―1585年のヴェネツィア』(三元社、2017年)、Originali e copie. Fortuna delle repliche fra Cinque e Seicento, a cura di S. Osano(Gli Uffizi. Studi e Ricerche 32)(編・共著、Centro Di: Firenze, 2017年)など、著書・翻訳多数。
 展覧会に、『レオナルド・ダ・ヴィンチ―天才の肖像』(監修、TBS、2013年)、『ボッティチェリ展Botticelli e il suo tempo』(共同監修、朝日新聞社、 2016年)など。

河野先生略歴
 1943年東京都生まれ。東京大学文学部卒業、同大大学院人文科学研究科博士課程中途退学。東海大学専任講師、東京国立文化財研究所文部技官、名古屋大学助教授、東京大学文学部助教授および教授を経て、2006年名誉教授。同年から10年間、秋田県立近代美術館館長を務め、数多くの展覧会を世に送り出すかたわら、「おしゃべり館長」ブログを開始し人気を博す。岡倉天心以来の伝統を持つ美術雑誌『國華』の主幹も務め、現在は同誌編集委員。2015年10月から、国宝・曜変天目茶碗などの名宝で知られる静嘉堂文庫美術館館長。「饒舌館長」と題してブログも継続中。
 『与謝蕪村』(新潮社、1996年)、『北斎と葛飾派』(至文堂、1996年)、『光悦と本阿弥流の人々』(至文堂、2004年)、『鈴木其一 琳派を超えた異才』(東京美術、2015年)、『琳派 響きあう美』(思文閣出版、2015年)など、著書多数。