群馬県立土屋文明記念文学館

文学館通信

オリジナル干菓子(和三盆)「ふみ」(2011/12/11)  鉢の木七冨久さんとつくりました!


オリジナル干菓子(和三盆)「ふみ」(2011/12/11)

鉢の木七冨久さんとつくりました!

   このたび、群馬県立土屋文明記念文学館と鉢の木七冨久(はちのきしちふく、高崎市)さんは共同で、県立文学館のシンボルマークを木型にして、和三盆糖(わさんぼんとう)を用いたオリジナル干菓子(ひがし)を開発いたしました。
 シンボルマークは「土屋文明」と「文学館」の両方に含まれる「文」の字をかたどっており、そこからこの干菓子の名前を、「文」を柔らかく読んだ「ふみ」と名付けました。
 2種類のお箱を用意しましたので、当館ミュージアムショップにてぜひお買い求めください。

小(計9個)  680円(税込み)
「ふみ」6個、干菓子取り合わせ3個

大(計15個)  1,000円(税込み)
「ふみ」10個、干菓子取り合わせ5個


※なお鉢の木七冨久さんに特別にお願いして口どけ良くつくっていただきましたので、シンボルマークの形が崩れる場合がありますが、どうぞご了承ください。


 
  以下は、箱の中に入っているしおりにお寄せいただいた、鉢の木七冨久さんからのメッセージです。

 「ふみ」は和三盆糖(わさんぼんとう)を桜の木型に入れて固めた打物(うちもの)です。二百年以上前の酒絞りの製法を応用し、在来品種であるサトウキビ「竹糖」を精製する和三盆糖は、徳島県などの特産品で、砂糖本来の「うまみ」と高雅な香りを持った最高の材料として、全国で用いられています。ぜひ県立文学館と当店のコラボレーションによって生まれた、上品で口どけやさしい「ふみ」をお楽しみ下さいませ。
 なお「ふみ」は大変崩れやすくなっておりますが、これは特別にやわらかい口どけとなるよう、和三盆糖に添加物を加えず、水分を多めに仕上げているためです。ぜひ風味をご堪能ください。

鉢の木七冨久(はちのきしちふく)
〒370-0818 群馬県高崎市赤坂町73
電話 027-322-6001
http://www.navirun.com/detail/index_1636.html


 
  以下は、同じくしおりに県立文学館が寄せさせていただいた文章です。

 能の謡曲「鉢木(はちのき)」について

 いざ鎌倉。誰もが知るこの言葉は、もともと能の謡曲「鉢木」とゆかりがあります。あらましは以下のとおりです。
 佐野源左衛門常世(つねよ)は、現在の高崎市上佐野町に住む貧しく年老いた武士でした。そこに雪の日、一夜の宿を求める僧が現れます。常世は粟飯を供したり大切な鉢植えの梅桜松を切った薪をくべたりしてもてなしながら、落ちぶれた身であっても鎌倉幕府に何かあれば駆けつける武士としての心得を語りました。この僧は実は北条時頼。後日鎌倉に全国の武士を招集し、これを受けて本当にやせ馬に乗って現れた常世に、「鉢の木」の返礼として梅桜松にちなんだ加賀の梅田、越中の桜井、上野の松井田、を与えました。これを三箇の荘(さんがのしょう)と言います。
 源左衛門は伝説上の人物とされますが、武士道を示すこの話は長く好まれ、現在でも高崎駅から南南東に3㎞ほどの高崎市下佐野町、烏川近くの新幹線高架脇には、常世神社があります。佐野は烏川に船を連ねてかけられた船橋(浮橋、舟橋)で知られた土地で、万葉集や藤原定家の歌に詠まれ今も定家神社があり、能の謡曲「船橋」や葛飾北斎の《諸国名橋奇覧》でも取り上げられました。
 さて鉢の木七冨久さんの店名も、もちろんこの謡曲「鉢木」にちなんだものです。現在は三代目で二代目は宝生流の能もたしなまれたとのこと。その銘菓に「鉢の木」「三箇の荘」などがあります。初代ご夫妻の名前をとった七冨久という店名が、今では鉢の木七冨久となりました。文化功労者ともなった俳人・中村汀女は『伝統の銘菓句集』(昭和五十二年)の中でこの「鉢の木」を紹介し、花芽がついた鉢植えの木を詠んだ自作の句「菓子の名のわが鉢の木は花芽立つ」を添えています。
 能の謡曲にちなむ店名を持ち、その銘菓が文学者に愛された鉢の木七冨久さんとオリジナル干菓子の共同開発ができたことは、県立文学館にとっても大きな悦びです。