群馬県立土屋文明記念文学館

特別館長日記

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令和2年12月21日(月)

 この三朝(みあさ)あさなあさなをよそほひし睡蓮の花今朝はひらかず(『ふゆくさ』)

 10月10日から開催してきた土屋文明生誕130年没後30年記念展「若き日の土屋文明-あまた人々の恵みあり-」が、昨日12月20日閉幕しました。

 新型コロナウイルス感染症で行動が制限されるなかにもかかわらず、大勢の皆様にご観覧いただきました。たいへんありがとうございました。

 笹公人先生、永田和宏先生には、当館の歴史に残るすばらしい記念講演をしていただきました。
 「現代歌人27人が選ぶ土屋文明短歌」は、文明の短歌がいかに多彩で卓越したものであるかをあらためて理解するきっかけとなりました。
 「アララギ六歌人六曲半双屏風」(諏訪湖博物館・赤彦記念館蔵)、「『金剛山五十首』折帖」(雁部貞夫氏蔵)は記念展に華を添える資料でした。
 土屋家をはじめ文明先生とご縁のある皆様にもご来館いただき、貴重な出会いに恵まれました。
 今回の記念展にご支援ご協力をいただきました大勢の皆様に心より感謝申し上げます。たいへんありがとうございました。

 土屋文明記念文学館は、都道府県立では全国で唯一の個人名を冠した文学館です。太平洋戦争敗戦後の混乱期、「第二芸術論」をはじめ短歌を軽視する動きが展開されるなかで、1400年に及ぶ「和歌・短歌」の伝統を守る上で土屋文明が果たした役割はそれに十分値するものと考えています。

 群馬テレビでコメンテーターの熊倉浩靖氏がおっしゃっていたように、「土屋文明の業績は千年を超えて語り継がれていく」のだろうと思います。そして、そのために尽力することが当館に課せられた使命と考えています。

 
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