群馬県立土屋文明記念文学館

特別館長日記

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令和2年12月14日(月)

 祖母おほば朝々あさあさみぎりの草を引く佐々子来たり歩まむがため(『自流泉』)
 が父も汝が母も祖父おほぢを手伝ひて佐々子はひとり遊ぶにやあらむ(  〃  )

 先週の土屋安見さんご夫妻、高野明さんご夫妻のご来館に引き続きまして、12月13日(日)は、土屋文明先生のご長女である故小市草子こいちかやこさんのご長女平田佐佐子さんご一家にお越しいただき、土屋文明生誕130年没後30年記念展「若き日の土屋文明-あまた人々の恵みあり-」や常設展示をご覧いただきました。

 佐佐子さんからは生前の文明先生を偲ぶお話をお伺いしました。
 移築した書斎にある机をご覧になって、文明先生が一番下の引き出しから氷砂糖を取り出して口に入れてくれたのがおいしかったというお話。
 特別展示の「金剛山五十首」(雁部貞夫氏蔵)をご覧になって、文明先生が書をお書きになるときは自分の母などまわりの者が墨を摺って差し上げていたというお話。
 実が色づいた橙の木をご覧になって、この木が青山南町にあった頃は、軒に届くか届かないくらいで、今の半分くらいの高さだったというお話、などです。

 文明先生の第8歌集『自流泉じりゅうせん』には、「佐々子を思ふ」という詞書きの付された短歌5首が掲載されています。文明先生ご夫妻が、孫の佐佐子さんをかわいがっていたことが伺われます。

 なお、佐佐子さんからは、お母様である故小市草子様のご著書『かぐのひとつみ-父文明のこと』をたくさんご寄贈していただきましたので、大切に活用させていただきたいと考えております。

 また、本日は、長野県松本市にある梅月菓子舗の馬瀬由利子さんご夫妻にもご来館いただきました。馬瀬さんには、私が文明先生の松本高等女学校校長時代のことを現地調査したとき以来お世話になっています。

 両ご家族にご来館いただき、「若き日の土屋文明」をご観覧いただけたことは、私どもにとってたいへん大きな励みとなりました。

 
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